委員長挨拶
課題に向けて情報共有
みんなが実感できる神高教づくりを!
明けましておめでとうございます。この3年ほどの間、新型コロナウイルス感染拡大の波の中で、神高教のの運動も思うようには展開できないでいます。その中にあって、組合員のみなさんには、さまざまな活動へのご理解、ご協力をいただいていることに改めて感謝申し上げます。
さて、昨年の11月に逗子市池子の森自然公園を訪れ、案内していただく機会がありました。近隣に住んでいるにもかかわらず、初めての訪問でした。住宅地から少し入っただけなのに、広大な広場、池、森を擁し、多様な動植物を見ることができる素晴らしい公園であることに驚きました。同時にその歴史をたどると、「戦後」を考えざるを得なくなりました。
池子の森は米軍施設として提供されている住宅地の一部を日米地位協定に基づいて「共同使用」として開放されている施設です。もともとはのどかな農村であった地域を、1941年旧日本海軍が住民を立ち退かせて接収し、朝鮮人の強制連行による地下工場建設などを行ったことに端を発します。戦後米軍が接収し、弾薬庫として活用し、住宅地へと転用されてきました。(1980年代以降の住宅建設をめぐる住民自治の運動を覚えている方もいることと思います)いわば、戦中戦後の日本の歴史が凝縮した場所であるとともに、米軍施設であるが故に開発を逃れて自然を残してきたという皮肉をかみしめながら、めったに見ることのできない広大な青空を眺めていました。
いま政府は防衛予算の増額、敵基地攻撃能力の保有、安全保障三文書などの「戦後」の日本が堅持してきた専守防衛という基本政策をかなぐり捨てる政策を展開しようとしています。しかも、こうした政策展開を国会での議論を経ることなく、閣議決定等で推し進めようとしています。
イギリスの保守政治家として著名なエドムンド・バークは、「人間は間違いを犯す」ということを前提に、暴走を抑える仕組みが政治に埋め込まれていることを重視し、その仕組みを守ることこそが「保守」であるとしました。現在の政治状況は本来の意味での「保守」からこそ批判されてしかるべきだと思います。
学校の働き方改革についても、議論は各所で行われながらも、実感できるものになかなかつながっていません。日教組に結集する中で、給特法の抜本改正や定数改善のとりくみが今年も課題となります。このとりくみに併せて、私たち自身が業務削減を考えていくことも大切です。
今年も組合員のみなさんとの情報交換・対話・議論を通じて、「実感できる神高教」づくりに努めていきたいと思います。みなさんのご協力をお願いします!
2023年1月13日
執行委員長 佐藤 治
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