高校神奈川NO529 2006.6.30
−第66回定期大会に向けて−

教基法・憲法・共謀罪
教職員組合の原点に立ち戻った運動を、そして私たちの賃金要求の再構築を


定期大会が近づきました。直面する課題が多くある中での大会だけに、活発な論議が期待されます。そこで今年新たに書記長になった園部守さんに今大会の課題をうかがいました

−今年の大会の最大の課題は教育基本法ですね。
どうやら今国会では与党政府案は継続審議にできました。この間日教組を中心に全力を挙げてとり組んできた成果だと思っています。各分会での精力的なとりくみに感謝します。−秋の臨時国会が次の山場となると考えられます。
 まず、それまでにできることをやらねばなりません。私たち自身の学習や意思統一は勿論のこと、県域での運動や県内共闘組織の再構築など、この期間にできることはやり尽くすつもりでとりくむ必要があります。6月22日の日教組中央委員会で出される日教組のとりくみ方針を受けて神奈川での運動の強化を図りたいと思っています。
 また、今国会でやはり継続審議となった、共謀罪や国民投票法案など憲法改悪をにらんだ諸法案も秋以降が正念場となります。教職員組合として原点に立ち戻って運動を作っていきたいと思います。

−昨年度は50年ぶりの給与制度の改定が行われました。

 国段階では、号級分割と昇給カーブのフラット化を中心とする俸給表の構造改定が行われましたし、県段階では小中給料表との統一や新3級の創設など大幅な改定となりました。もちろんこれらの改定は当局側から見れば査定昇給導入の第1歩ですし、職場に一定のヒエラルキーをつくり出す意図をもったものです。しかし一方で現実に教職員賃金の水準を維持するためにはこの方法以外にはあり得ないのも事実です。問題は今回の改定を足がかりに教職員賃金の水準を維持向上させる仕組みをどのように作っていくか、であり、あわせてこのような賃金制度のもとで、査定昇給をいかにはねのけるか、民主的な学校づくりをどうすすめていくかが課題だと思います。

−職場からは「企画会議が長時間にわたっている」とか「職員会議が形骸化している」などの声も聞かれます。

 本来各学校がそれぞれの状況に応じて作ってきた学校組織をわずか半年弱の間に変えようとしたわけですから各学校での混乱が生じているのは無理のないことだと思います。新たな校内組織が導入されて数ヶ月。各学校での状況にも大きな温度差があります。まず、その実態をしっかりと把握しながら、民主的な学校づくりにむけて具体的な目標を立てて全職場でとりくむ体制を作っていきたいと思っています。

−校長の「恣意的・独善的」学校運営を助長しているとの声もありますが
 今の神奈川の県立高校で一番の問題は「校長のリーダーシップ」だと思います。私たちは「リーダーシップ」そのものに反対しようとは思いません。問題はその在りようだと思います。学校の日常的な運営や教職員が直面している課題などを知ろうともせず、教育委員会からいわれたことや自分の思いつきを強引に職員に押しつける、などというのは「リーダーシップの欠如」の典型ですし、「自分の判断」から逃れるために校長会に判断を委ねたりする姿は、率直に言って「みっともない」極みです。おそらくこんな社長がいたら民間企業ではたちまち潰れてしまうでしょうね。(笑)そういう点では新たに作られた企画会議がむしろ校長の「恣意的・独善的」な学校運営を牽制できるものにしていければ民主的な学校づくりにプラスに働く可能性もあります。今度の大会では現在の職場の状況を過渡的な状況と押さえつつ、職場の実態を相互に交流しながら、民主的な学校づくりへの展望をひらいていきたいと考えています。

−査定昇給については現在はどんな状況ですか
 今年の春闘の県労連に対する県からの回答で「新たな昇給制度に関連した人事評価制度のあり方」についての交渉テーブルが設置されました。また、管理職にはすでに勤勉手当への成績率導入と来年1月からの査定昇給の実施が決まっています。こうした流れから見ると今期の確定闘争にも「査定昇給」が課題となりそうな状況といえます。神高教としては「査定昇給」反対の立場でのぞみたいと考えています。そのためにも新たな賃金制度についての学習や、そのもとでの私たちの賃金要求を再構築する必要があると思います。

−教育の課題で、現場では「観点別評価」が課題となっています。
 観点別評価については、批判の視点を整理した上でとりくむ必要があると考えています。まず第1は教育評価としての妥当性の問題です。この点では組合としては結論をもつことは困難と考えていますが、すべての学校で「一斉」にしかも「一律」の観点で、という手法には問題があると考えています。第2は授業改革との関連です。県教委は「観点別評価は授業改革の一環」と説明してきていますが、授業改革を進めるために評価から入るというのは順序が逆ですし、授業改革を進めるためには教職員に教材研究をするための十分な時間の確保や相互の授業交流のしくみを整備すべきであって、シラバスだ観点別評価だ、というのはそれとは逆に教職員の授業改革への意欲と時間を削いでいるのではないかと思います。第3は方法の問題です。現場との十分な協議なしにトップダウンで「とにかく導入」という方法はこのような教育のセンシティブな部分にはなじまないと思います。県教委が導入が必要、と考えるならば様々な場面で現場の意見を十分に聞き、「導入ありき」ではなく議論を重ねることが重要だと思います。そのような課程を抜きにして「とにかく導入」は結果としては形だけの導入になってしまって、何ら生徒や学校のためにならないものとなるでしょう。神高教としてはこのような視点から、拙速な「一斉」「一律」の導入に反対していきたいと考えています。

−新採用が90名を超えました。

 長い長いトンネルの先にほのかな明かりが見えてきた感じです。(笑)来年は170名採用の予定ですし、この先はおそらく200名から300名をコンスタントに採用しなければならないと思います。神奈川の教育条件や労働条件を維持・向上できるか否かはこのみなさんを神高教に結集できるかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。現在青年委員会のみなさんや、組織拡大プロジェクトのみなさんが知恵を絞ってさまざまなとりくみをすすめていただいています。執行部としても新採用の早期完全組織化と組織拡大が最大の課題ととらえてとりくみをすすめたいと思います。組織拡大にむけたさまざまな実践やアイディアも大会の場で交流できたらと思っています。
「学校教育の中で性差別がある」67% その多くが「教職員の言動」
〜女性委員会アンケートにみる学校の今〜

 女性委員会では毎年行うアンケートとは別に、5年に1度、「男女平等・女性の労働権確立のためのアンケート」を行っています。今回特徴的だったのは、「学校の中での性差別」に対する認識です。前回(00年実施)に比べ、「差別がない」とする回答がかなり減少しています。これは私たちの意識の高まりとみることができますが、今後、ジェンダーフリーバッシングの強まりや、社会的弱者をないがしろにする風潮の中で、性差別をなくすとりくみを、強めていく必要があります。

1.人事での女性差別について

@ 01年1月1日から05年10月31日の間に異動のあった方に伺います。
あなたは、異動に際して、女性であるがゆえに差別されたと思ったことがありますか。
a ある 40    b ない 583

40人(6%)が、異動に際して女性であるために差別されたと感じています。この数字は5年前のアンケート(41人)と比べて大差はありませんが、パーセンテージでは2倍になっています。本来公正でなければならない人事で「女性であるがゆえに」差別されたと感じている人がいるということは、見過ごしにしていいものではありません。

2.職場での女性差別について

A 全員に伺います。 あなたは01年1月1日から2005年10月31日の間に、セクシュアルハラスメントを受けたと思ったことがありますか。
a ある 296     b ない 683

B Aでa(ある)と答えた方に伺います。その内容について相当する項目を選んでください(複数可)。
   
   ア 結婚・非婚・離婚に関わること      46
   イ 妊娠・出産・母性保護に関わること    29
   ウ ジェンダーに基づく発言や行為(性別・役割分業)に関わること 101
   エ 容姿に関わること          58
   オ 直接的な行為(身体に触れる等)   40
   カ 不快にさせる言動          182
   キ その他               21
 
C @,Aでa(ある)と答えた方へ。
    あなたは上記のことで転勤や退職を考えたことがありますか。
a ある 62     b ない 245

社会的にセクシュアルハラスメントという言葉も浸透し、校内研修が位置づけられるなど、意識を喚起する機会も多くなっていますが、実際には多くの事例があります。更に、62人が、セクハラが原因で退職や転勤を考えているのです。62という数字は職員全体の数から言えばごく少数かも知れませんが、ここで「はい」と回答した一人ひとりにとっては進退にかかわる重大な問題であり、これは本来あってはならないことです。
セクシャルハラスメントの内容で圧倒的に多いのが「カ・不快にさせる言動」です。ある言動が「セクハラ」であると受け止められるかどうかには、個人差があります。軽い冗談のつもりで言ったことでも、それを「不快」と感じ傷つく人がいるのだということにもっと意識的になる必要があるでしょう。それらの言動の多くは、相手に与える不快感にまったく気づかずになされているのかもしれません。人の無意識に根を持つ問題を意識化していくのは困難なことではありますが、一つひとつ注意を喚起し、人権意識を高めていく必要があるでしょう。また、「ウ・ジェンダーに基づく発言や行為(性別・役割分業)に関わること」も101人が選択しています。もし、それが意識化されず、「悪意」のない発言や行為であったなら、それはもっと問題です。そうした人が教職員として生徒の前にたつことが、学校を性差別再生産の場にしてしまうのです。

3.教育面での差別について(以下全員に伺います)

D あなたは学校教育の中で性差別があると思いますか。
a ある 598     b ない 342
 

E Dでa(ある)と答えた方に伺います。 それはどんなことですか。 (複数可)

    ア 教育制度 83
    イ 教科書等の教材 89
    ウ 教職員の言動 497
    エ その他 130
 
性差別は、私たちの職場環境としても問題ですが、学校教育の現場の問題としてより大きな問題があります。今回、5年前とアンケートの方法を変えたので単純な比較はできませんが、「学校教育の中で性差別」が「ない」と答えた人の割合は今回36%と、前回の42%に比べてずいぶん低くなりました。それだけ私たちの意識が高まってきているということでしょう。しかし、一方でその内容のトップが「ウ・教職員の言動」というのも大きな問題です。特に、具体的回答の中に「進路指導の際の不適切な発言」として「理系は男子に、女性は家政科に」「女生徒が多くなると4年制大学への進学率が下がる」「女の子はかわいいお嫁さんになった方が幸せ」「女性だから勉強しなくてよい」「女性は理数教科は出来なくてもよい」といった例が挙げられるなど、事態は深刻です。中には「授業の中で『女性は尽くす立場』などとプリントに記載している」など、教職員としての資質の疑われる事例も挙げられました。

F あなたはあなたの職場で、この1年くらいの間に生徒への性的いやがらせがあると思ったり、見聞きしたりしたことがありますか。
 a ある 137     b ない 759

「ある」が前回の606件(43%)から137件(15%)と、数字の上では激減しました。これはかながわ女性センターで受けたセクシュアルハラスメントの相談件数(99年561件、04年181件)の動きと共通していますが、神奈川でのとりくみの成果(全国的には横ばい)なのかは、議論のわかれるところでしょう。

G  Fで「ある」と答えた方に伺います。 内容、対処、その他について差しつかえない範囲で簡潔にお答え下さい。(詳細は省略)                      
A.言葉や容姿等への中傷  21
B.ストーカー的なもの     12
C 身体への接触     23
D わいせつな話      12
E 差別的な発言      16
F 部活動関係       8
G その他        14

スクールセクハラは、生徒の人権を侵害する行為であるにもかかわらず後を絶ちません。今回の調査で特に目立ったものとして、メールや携帯によるストーカー的行為、言葉による中傷、部活動におけるセクハラがあげられます。また、大変に深刻な事例もあり、セクハラをひき起こさない環境作りが必要です。教職員各自がきちんとした判断基準を身につけるためにも、各職場でセクハラについて話し合う機会を持つ必要があります。また、セクハラと言うと男性から女性に対してのものだけが取り上げられがちですが、女性職員から男子生徒へ、また、同性同士によることもあります。 性に関する受けとめ方には個人差があるということを肝に銘じておく必要があります。更衣室は全校に設置してあるはずですが、教室で着替えることが当たり前の事になっている学校が多いようです。生徒指導上の問題があって、更衣室を閉鎖したり別の目的に使っている学校もあるようですが、体育館の横等に男女別更衣室を設置する必要があります。

Hここまでの質問に関して、特に何かあれば述べてください。(回答省略)

「育児・介護・療休等に関して」「教職員(管理職含む)によるセクハラ」「生徒によるセクハラ・性差別」「セクハラ・性差別(全般を通して)」等々、様々なご意見をいただきました。同じ問題について、正反対のご意見が出たものもありました。
多くの女性は、仕事をしていく上で自分が尊重されていないと感じるとき、それが自分の非力のせいなのか、自分が女性だから、そのように扱われるのかと悩みます。そして「男性の何倍も働かなければ認められない」という呪縛に自ら陥って、心身を痛めつけている人も少なくありません。現在の「女性管理職」適性に対する批判もアンケートの中にはありましたが、呪縛に陥った挙げ句の過剰適応は十分考えられますし、ジェンダーバイアスを含め、選ぶ側の問題もあります。少なくとも現状の女性比率のもとで、公平な判断はできません。本来なら半分、少なくとも30%を超える必要がありますし、人事院が「女性国家公務員の採用・登用の拡大に関する指針」を改定し(05/12/20)女性職員の採用・登用拡大計画について、とりくみを推進している中、教職員の採用等についても、ジェンダーバランスを考えていく必要があります。
そして、「教育の場で平等やセクハラの問題を唱えても、社会全体の風潮の前に無力を感じます。小さなことに目くじらを立てるという元気もなくなり、また、口うるさく言うことを揶揄する雰囲気に、黙して語らずになりつつあります。」といった回答もありましたが、学校の中で日常的に差別的な「教職員の言動」にさらされている生徒を前に、倦まず、たゆまず主張し続けるしかないのではないでしょうか。

第22回 新しい男女共同社会をつくる集い
それって愛なの?
〜若者のデートにひそむ「力と支配」

 5月20日、山口のり子さん(アウェア代表)を講師に迎え、第22回新しい男女共同社会をつくる集いが開かれた。今回は女性委員会終了後に開催したためか、残念ながら男性の参加はなかったが、成果の大きい学習会であった。              

 DVが社会問題化され、禁止法もできた。でも、DVは結婚してからとか同居してからとか、そこで初めて出現するものなのだろうか?
高校生をみているとカップルになったとたん、それまで自立的だった女の子が急に判断力を失い、相手に依存してしまったりする。二人の間には豊かな人間関係が作られているのだろうか。
内閣府男女共同参画局「男女における暴力に関する調査」では、10歳代から20歳代で交際相手から身体的暴行・心理的攻撃・性的強要のいずれかの被害を受けたという女性は13.5%、実に6人に1人の割合だ。別れれば済むと思いがちだが、その半数は、相手が同意しなかったり、怖かったりで、簡単には別れられない。
山口さんは、この若者に潜む力と支配を「デートDV」と名づけた。
デートDVはなぜおきるのか、世界は力と支配に満ち満ちている。暴力を甘くみる風潮もある。親の暴力、教師の体罰、漫画、DVD等から若者は学んでいる。そして何よりもジェンダーバイアスが根源的要因だ。男は強く正しい、カップルの間では優先される側、特権的立場、だから、服装やメールをチェックしても良い、相手の決定を変えても良い、女は自分の所有物、束縛することが愛、従わないなら力で押さえる・・・DVの加害者は自己中心で平然と被害者の自己決定権を奪い、自信を奪い、その人らしさを奪い、人間としての尊厳を奪う。
ジェンダーバイアスに侵された加害者であれば、当然の行為であるが、これは犯罪であり、人権侵害である。被害者の愛情は次第に薄れ、加害者もそれで苦しみことになる。山口さんの主催するアウェアに来るDVの加害者の多くが若い時にデートDVを経験していたという。
であるならば、若いうちに学び落とし(アンラーン)をしたほうが良い。相手を尊重し、コミュニケーション能力を身につけ、自分のメッセージがきちんと伝えられるようにすること、何よりも、男らしさや女らしさの束縛から解放され、自分らしさを自分で選べるようになること、そんな教育が若いうちから必要であると山口さんは主張する。つまりジェンダーフリー教育こそこの問題を解決する鍵であるというのだ。
この数年、ジェンダーバッシングの嵐が吹き荒れ、ジェンダーフリー教育なんて言葉さえ刈り取られてしまった観がある。しかし、それでは、生徒をはじめとする若者をDVから守ることはできない。今一度ジェンダーフリー教育を!これは必要なことなのだから。(百合丘分会)

多忙化の中でもやっぱり分会教研が必要だ

 5月17日、教研担当者会議が行われた。試験中の分会も多く、約70人が集まり、教研の活性化に向けて意見交換が行われた。

 執行部より、教育基本法の改正は「愛国心を教えるのが職務」という首相答弁のごとく、教育内容に一層踏み込んだ攻撃がなされていく危険があるという発言があった。
そんな中での05年度の各分会および支部の教研活動では、新職や新しい賃金体系など、本来組合全体で取り扱うテーマが多く報告されている。前年度はさまざまな制度改革が、神奈川でもおこなわれてきたので旬のテーマット言ってもよいのかもしれない。
しかし、先進的な教研活動がおこなわれている神奈川では、本来の教育という原点に立ち戻って、観点別評価や生徒の授業評価、学力検査等、職場内でもスタンスがかみ合わない問題を検証しつつ、教研活動で今以上に発表していってもらいたいという内容の発言があった。
日教組第55次全国教育研究集会には、教研小委員会のメンバーの若手を中心に20人の組合員で参加し、7分科会にリポート参加した。
第48次県教研集会は神奈川総合産業高校を会場に、10月22日におこなわれた。10年間「多文化共生」という長期的なテーマでやってきたが、常任委員会では新しいテーマを現在模索している途中である。
 また本部教研小委員会が6月2日発行の教研ニュースNo.118で紹介されているので、興味のある方はぜひ参加してほしい。教研ニュースは特に若手の分会員には見せてほしい。各小委員会とも高齢化とメンバーの固定化が進んでいるのは事実なので、新会員等にもぜひ呼びかけてほしい。
 支部教研活動については、05年度は1支部においては残念ながら開催できなかったが、分科会まで開催したところは4支部あった。また日程や会場の都合上、教育文化フォーラムに合わせて開催しているところも目立つ。もし学校を会場にできないという場合は、速やかに本部まで報告してほしい。また各分会が協力し合って、支部教研活動を盛り上げていってほしい。
 分会教研活動については、前年度より開催分会数が増加して、延べ82分会となった。(前年度68分会)
 前述したように、内容としては新職や新しい賃金体系についておこなわれたケースが大半であった。また意見交換の中では開催するのも困難であるという意見もあり、前年度と同様に、人権研修会の後に開催したり、昼食付きで分会員が時間を共有できる形で取り組んでほしい。またどのようなテーマで、どう具体的におこなわれているか、分会教研の報告書を眺めてもわからないので、本部のほうで工夫してほしいという意見もあった。本部では分会のみなさんの参考になるよう検討していきたい。
 今年度から高校教育会館事業の一環として、各学校に講師派遣募集をおこなっている。上限5万円の講師派遣料となるので有効に使ってほしい。詳しくは高校教育会館まで。
 2006年度は教研ニュースの検討等、教研情報の共有化をはかっていくとともに、新たな教育問題に迅速に対応できる教研活動のあり方を追求していく。
さらに若手を中心とした教科別小委員会を再構築し、新採用者の多い数学と理科に配慮し、"科学"という内容で組織していく。
今年度の県教研集会は10月28日に平沼高校を会場として実施する予定である。多文化共生というテーマの他に掲げられるテーマははたして存在するのか? 教育基本法の改正がらみから、改めて教育という問題を考え直すきっかけにする教研としたい。
会場からは、「分会では教研をやるというのは辞書にない…」という意見もあった。それは、毎日多忙で、会議が多く、分会の雰囲気も落ち気味で…という中、どのように工夫すればよいのかという内容のものであった。本部でもこのような意見を今まで以上に大切に扱っていってほしい。

分会からの教研活動報告と交流
 当日報告する予定の分会が、学校の都合で参加できなくなり、緊急に川崎支部の支部教研活動について報告してもらうこととなった。
開催日を土曜日に設定し、午後2部制にして分科会までおこなっている。県教研集会より参加者が多く東京都の流れを見ながら、都高教の人を講師に迎えている。
このように盛大におこなえる秘訣は、年間を通じて支部担当者会議が定着しており、支部教研テーマも身近な話題であるということ、また年1回参加するのが楽しみな活動だというところだろう。しかしそれは日常の活動に支えられた教研であるという証でもある。
分会教研についてはやはり昼食会もかねておこなうなどの工夫をしているところも目立つ。ぜひ時間の共有化を各分会でお願いしたい。

各教研小委員会活動の報告と紹介
当日は教科別小委員会から、日本語教育、保健体育、問題別小委員会から、解放教育、後期中等教育、図書館教育、女性解放教育の各委員会が報告をおこなった。どの小委員会も高齢化とメンバー固定化という問題に直面してはいるが、忙しい中、質の高い研究をしているので各組合員とも参加していってほしい。また今年度も日教組の全国教育研究集会には実践的・組織的なレポートで参加していく予定である。
(学習会報告) 問われる、教職員の対応
〜在留資格のない生徒をどう支援するか〜

日本に在留する外国人は、「出入国管理及び難民認定法(入管法)」と「外国人登録法(外登法)」のふたつの法律で管理されています。いずれも外国人の管理目的の法律で、外国人の権利を定めたものではありません。
近年、仕事や、本国での迫害を逃れ日本に庇護を求め、来日する外国人が増加しており、その子どもたちは日本の学校に通い始めています。こうした家族の中には、在留資格をもっていなかったり、突然在留資格を取り消されたため、入国管理局によって強制収容されたり、強制送還をされたりといった事件が発生しています。
国籍はどうであれ、すべての子どもたちには学ぶ権利があります。その権利を保障するために私たちができることを考えようと、6月11日(日)、日教組会館で「在日外国人・難民の子どもたちの人権を考える学習会」(関東ブロックの高教組共催)が行われました。
各県の報告や、当事者もまじえた在留を求めたとりくみのケース報告の中で、「不法滞在に協力することはまかりならぬ」と学校を指導した教育委員会や、嘆願書を集めることに抵抗する管理職など、教育機関での人権意識のレベルの低さが指摘されました。
後半は、弁護士の山口元一さんの「在留資格のない子どもと在留特別許可」と題する講演、大和西分会の高橋徹さんの「在留資格のない生徒と出会ったらQ&A」と、盛りだくさんの内容でしたが、70人規模の会議室には人があふれ、終了後もあちこちで情報を交換しあう光景がみられました。
神奈川県では昨年、多くの組合員の署名協力もあり、ひばりが丘高校のベトナム人生徒母子に特別在留許可がおりるなど、明るい話題もあります。今後増えていくこうした問題に積極的にかかわっていく必要があります。

 第44回日教組養護教員部研究集会(日養研)が7月25日〜27日まで新潟県越後湯沢のホテル「NASPAニューオオタニ」で開催され、全国から日教組養護教員部に結集する500人の仲間があつまり、神高教は専門委員会から2人が参加しました。

 正しい情報をもって十分検証することが必要
 大会2日目の第5分科会では、フッ素洗口、保健主事制度、研修、評価、組織拡大強化について話」合いを進めました。
 3日目の第2講座では、「うつる病気をどう考えるか」と題し、インフルエンザや日本脳炎等の感染症について、特に、予防接種の歴史通じて、うつる病気にどう対処していくべきかを勉強しました。
 フッ素洗口や感染症の議題を通じて、国や県は制度として取り入れようとしたものに対しては、長所ばかりを強調し、心配される副作用などはあまり語らず、出すべきチータも示さず、説明会は常に推進する側のみで運営され、反対派の医師や学者は呼ばれない、という形で行い、またそれを
受ける保護者も、上から言われることや一方的なマスコミ情報を、たいした疑問も抱かずに受け容れてしまうという実態が見えてきました。
私たち養護教諭は、長所・短所両面を備えた、多くの情報をもち得る者として、導入されようとする制度に対し、その有効性、有益性、副作用等について十分鑑み、仲間たちと情報を共有し、生徒たちにとって一番良い方向をしっかりと見定めて活動していくべきであると、強く感じました。
(三水分会)

 全国の仲間と交流して
 大会2日目の分科会は、「子どもをめぐる問題」に参加しました。離島の小規模な小学校において、ADHD、不登校、虐待など、深刻な問題を抱えるたくさんのこどもたちと関わり、支援機関に頼ることのできない環境の中で、「個か尊重される支援活動」を進めた養護教諭のレポートについて、意見交換を行いました。
ADHDなどの発達障害について、診断名のつく子どもを「見つける」ことにばかり重点を置いている各県実態が問題視されました。そのような「どもたちのために、私たち養護教諭は、職員、保護者・関係機関とどう関わっていったらよいのかについて、話し合いがすすめられました。
大会3日目は、「カウンセリングと心のノートについて」の講座に参加しました。『心の専門家はいらない』を執筆した小沢牧子氏を講師に迎えました。近年急速に普及した「カウンセリング」や「心のケア」という心理主義に対して、否定的な視点に立った講演を聴き、意見交流を行いました。
 また、現在小・中学校で問題とされている「心のノート」については、国家的な道徳を押し付けている内容が批判され、全国でもほとんど使用されていない実態が明らかになりました。
 日養研に参加して、全国の養護教諭と交流し、学びあうことかでき、地域や校種による違いなど、多くの発見と感動がありました。
たく古んの仲間がいることの力強さを実感した3日間でした。(大楠分会)
シリーズ「共生への道」2
「多文化共生」って何?

多文化共生という語は、ここ数年来、神高教が教研大会などで用い、私たちも活動のなかで使っています。ある意味定着したと言えるはずですが、いまひとつ分かりづらくもあります。
五月末、静岡新聞にこんな記事が載りました。『自民党が、在日ブラジル人との共生社会実現に向けて、在日ブラジル人集住地域関係議員懇話会をする。日伯両国間の犯罪人引き渡し条約の早期締結の必要性、不就学ブラジル人若年層の増加の社会問題化などを受けたもので、静岡や愛知、三重、長野、岐阜などブラジル人登録者数が1万人を超える10県の関係議員が参加する予定。政府に対し意見書を提出するなど、体制を整えるために働きかけていく。』という内容です。
これでは多文化が共生しているとは言えず、他文化を日本文化の支配下に押し込めるために画策しているとしか見えません。

ところで外国人に関して神奈川は、日本全体の縮図です。さまざまな国の出身者が生活し、単独国籍が過半数を占めることはありません。静岡や愛知のように、外国人=ブラジル人といった現実はなく、外国人に対してはずっと冷静です。外国人自体の多様性が理解されていると断言して構わないでしょう。
では、神奈川ではそれらの多文化が共生しているのでしょうか? たとえば、あなたが教えているフィリピンにルーツを持つあの生徒は、自分の出自や言葉を堂々と友人たちに語れているでしょうか? もしも、「うちの学校には外国につながる子はいませんよ」と答えたら、神奈川でしょう、本当に本当ですか? 子どもがごく自然に本来の自分を表明できない環境を仕立て、知らぬ顔をしてはいませんか? 保護者・本人に接するとき、腫れ物に触れるかの如く、出自を尋ねるのを避けてはいませんか?

先日、山田泉さん(法政大学)の講演を聴いたなかで、こんな話がありました。「多文化共生というのは、外国に繋がる子どもたちが自己実現をするための前提条件です。」つまり、到達目標ではないとのことなのです。山田さんは、日本人の大人たちが外国人の子どもたちを受け入れる能力が低いことを、気に
病んでいます。
日本人も含め、子どもたちの持つさまざまな文化が受容される環境のなかで彼らが育ち、自分たちの多文化を開花させていく。確かに、それが本来あるべき姿でしょうが、またひとつ課題が増えてしまいました。

少子高齢化による日本社会の活力減退から、この国は今後もより多くの外国人に来日を乞い続けるでしょう。私たち教育に携わる者に課された大きな課題の一つが、多文化共生実現のための教育活動なのです。
(大師分会)
神高教第11回釣り大会
小雨まじり、でも大漁!

 5月14日、あいにくの小雨交じりの中でではあるものの、参加者57人を得て神高教第11回釣り大会が行われました。毎回おなじみとなった方や家族づれでの参加も多くありました。茅ヶ崎港まごうの丸の2隻に乗り込んだ一行は、対象魚のシロギスのほか、カワハギ、ヒラメ、アナゴ、タコなど多彩な魚を釣り上げ、楽しいひとときを過ごしました。
入賞者は以下の通りです。(敬称略)
優勝 武井聖成(大井)
準優勝 黒原進(新羽)
第3位 斉藤真(横須賀工)

子どもの部
優勝 加藤祐太(北陵)
準優勝 糸山航(大和南)
第3位 三澤優衣(相原)

他魚の部
小林優(平塚工科) ヒラメ
囲碁大会
和みのひととき

06年度の第27回神高教囲碁大会が高校教育会館で、6月10日(土)の10時から17人の参加で開催されました。これは、神高教と(財)神奈川県高校教育会館が共催で毎年行っているもので、組合員の他に、高校年金友の会の方たちにも参加していただいています。今年も指導には小島九段においでいただき、対局の間には指導碁もしていただきました。また、運営は高囲連から大和西分会の後藤さんにお願いしました。
対局はひとりあたり四局で、そのうち、一局については小島九段の指導を受ける、という形式で行いましたが、この指導碁が楽しみだ、という参加者もあり、対局だけでなく、腕を磨くのにもよい場所となっているようです。
対局の方は、高校年金友の会の徳山さんが優勝、準優勝者が三人、という結果になりました。
参加者の熱心な対局が続き、終了予定の午後四時をオーバーして会は終了しました。
署名協力ありがとうございました(06.6.10現在)
ビルマ(ミャンマー)国籍ソウソウミン、ミンソウセイ母子の特別在留許可を求める署名  1,875筆
在日米軍基地の再編と日米軍事同盟の強化に反対し、基地の縮小・撤去を求める署名 2,369筆
共謀罪の新設に反対する署名  952筆
安全・安心な公共サービスの確立を求める署名  1,621筆
被用者年金の一元化に関する要請書 1,108筆
教育基本法調査会の設置に関する請願 6,505筆

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