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部活問題で組合発足

神奈川新聞2024年01月25日

県立高教諭ら
「顧問就任強制回避を」

 公立学校の部活動問題に特化した教職員組合が神奈川でも発足した。顧問就任は管理職に事実上強制されているとして、教職員の意向を尊重するよう求めることを活動の柱に据える。望まない教職員が管理職と交渉する際には支援する。(成田 洋樹)

 発足したのは「神奈川県の部活動問題を考える会」。全国組織「全国部活動問題エンパワメント」の加盟団体として2021年秋から活動を始め、23年8月に組合を設立した。代表は県立高校教諭の飯田深雪さんで、組合員は現在3人。
 同会は今月、顧問就任を強制しないことを求める請願を県教育委員会に提出した。その中で、部活は教育課程外で、勤務時間外に及ぶ指導を強制することはできないと指摘。だが実態は、顧問就任を望まない教職員にも校長が「お願い」するなどの形で実質的に強制しているとし、教職員の意向を丁寧に確認するよう求めている。
 同会が今月実施した緊急アンケートでは、公立学校24校のうち21校(高校12校、中学9校)で顧問就任を前提に希望調査が行われていた。残りの3校のうち、2校も断れる雰囲気ではなかったという。
 24日に県庁で会見した飯田代表は20年以上の教員歴の中で、競技経験がない運動部の顧問も経験してきた。現在の勤務校で管理職に就任を希望しない旨を告げた結果、指導から離れることができたという。教科指導がしたくて教員になったという飯田代表は「顧問就任が当たり前とされる現状に対し、まずは就任が強制されないよう声を上げていきたい」と説明した。
 同会が提出した請願は23日の県教委会議で協議され、事実関係を調べた上で慎重な検討が必要として継続審議となった。