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小学校教科書採択新指針

神奈川新聞2010年04月21日

県教委「正確性」項目を削除
伝統、道徳充実盛り込む

 県教育委員会は20日、臨時会を開き、今夏採択する小学校教科書の採択方針と教科書調査研究の新指針を全会一致で可決した。伝統や文化についての教育や道徳教育の充実を教科書調査研究の観点として新たに盛り込んだ。一方で教科書の正確性を重視する項目が削除されたことに、市民団体は反発している。
 大幅な変更があったのは、県教科書用図書選定審議会が各出版社の教科書を調査研究する際の指針。教育基本法、学校教育法、学習指導要領の内容を踏まえているかが新たな観点となった。また、県教委が定める「かながわ教育ビジョン」と関連付け、「思いやる力」「たくましく生きる力」「社会とかかわる力」を育成できるかを重点項目とした。 削除された項目が、これまで観点の一つとされてきた「教科書の正確性」。市民団体「教科書問題を考える横浜市民の会」は、「誤記や不正確な記述がある教科書が選ばれかねない」と反発している。
 同審議会は今月末から新指針のもとで各出版社の教科書を評価し、県教委に結果を答申。7月上旬以降の県教委で、県教育委員らが答申を参考に教科書を採択する。(佐野克之)