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「希望降任」最多106人

神奈川新聞2008年10月18日

公立小中高
07年度県13人、横浜市12人

 全国の公立小中高校で、校長や教頭、主幹教諭ら管理職が一般教員などに自主的に降格する「希望降任制度」を二〇〇七年度に利用したのは百六人に上ることが十七日、文部科学省の調査で分かった。前年度から二十二人増え、二〇〇〇年度の調査開始以来、最多。都市圏が顕著で、横浜市など県内は上位を占めている。

 教頭や主幹教諭が「健康問題」を理由に降任するケースが目立つ。文科省は「業務が集中しやすい傾向があり、仕事を抱え込まないよう改善を促したい」としている。
 一方的に授業を進めるなど適切な対応ができず「指導力不足」と教育委員会が認定した教員数は三年連続減少し三百七十一人。うち〇七年度の新たな認定者は百三十人だった。
 希望降任は、教頭から一般教員へが最も多く七十人。校長や教頭を補佐する主幹教諭などから教員へは三十一人。校長では教頭への降任が一人、教員になったのが四人。
 理由は、健康上の問題が五十六人で最多。職務上の問題が二十九人、家庭の事情が二十人だった。健康面では精神疾患も含まれるが、詳細な分析はしていない。
 希望降任制度は四十四都府県と十五政令市で導入され、〇七年度で多かったのは東京都十六人、神奈川県−三人、横浜市十二人、大阪府十一人で都市圏が目立った。
 指導力不足とされた三百七十一人では、四十代が46%、五十代が37%と大半を占めた。種別では小学校が51%、中学校が24%、高校が17%。東京都の十九人、福岡県の十七人が多かった。
 指導力不足教員はピークだった〇四年度の五百六十六人から三割以上減少。認定後は教委が定めた期間、研修を受ける。
 新任教員で一年間の条件付き採用後、正式に採用されなかった教員は前年度から六人増え、過去最多の三百一人だった。