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ここが知りたい 県内入試事情

神奈川新聞2008年08月18日

学校成績の重要度は

 A.全体的にはむしろ増加
 前回は二〇〇九年度入試の変更点についてお伝えしました。今回は教育改革後の学校成績の位置付けについてお伝えします。
 入試制度改革以前は学校成績がふるわなかった場合、入試当日の得点での逆転ま実質的に不可能でしたが、今では後期入試なら当日の結果次第で十分に逆転が可能になりました。現在の状況がどうであれ、心からその学校に入りたくて、それ相応の努力を継続することができるならは挑戦してみる価値は十分にあります。
 もちろんこうした当日の結果重視の入試制度にも問題が全くないというわけではありませんが、学力検査重視と独自問題導入を同時に行った横浜翠嵐高校が。八年の東京大学の合格者数で湘南高校を上回るなど一定の成果はあったといえます。
 ただ、このような学力検査重視の傾向を「入試当日での得点が大切なのだから、学校成績『5』や定期テストの高得点は不要」と考えることには問題があります。
 確かに絶対評価導入間もないころは、その評価が全体的に上昇し、入試を行う高校側が戸惑っていた時期もありました。しかし教育改革が進み教育への関心が全県的に高まった現在では、学校の先生方の試行錯誤も相まって評価の正確性は大きく向上しているといえます。
 また、学校の定期テストも教育改革が浸透していくにつれ、ゆとり教育本格実施以前よりも一般的な基礎学力の定着度を測る素材としての機能を増してきています。
 加えて学校で高い成績を取ることは、学力向上だけでなく志望校合格にも形を変えて貢献しています。
 入試当日は受験者の実力が伯仲していればいるほど、その志望校の対策をどれだけ行ったかが重要になります。第一志望の高校の入試で一点でも多く取るためには、第二志望以下の学校の対策にかける時間を極力少なくしていかなくてはなりません。
 幸いなことに私立高校を併願する場合、今でもほぼ学校成績をメインにして合否が決まるため、納得できる併願校があれば第一志望の学校の入試対策に全力を注ぐことができ、結果的に第一志望の合格率は上がります。
 学校成績の重要性は入試制度上は減りましたが、金体的にはむしろ増加したといえるでしょう。中学三年生にとって定期テストはあと数回を残すのみとなりましたが、全力で頑張ってみることは依然、大切なのではないでしょうか。
(湘南ゼミナール経営企画室・坂井佐武郎)