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県個人情報保護審議会答申案

神奈川新聞2008年01月11日

君が代斉唱不起立教職員、氏名収集は「不適当」

 県教育委員会が県立高校の卒業式などで君が代斉唱時に起立しなかった教職員の氏名を収集する妥当性について、県個人情報保護審議会(会長・兼子仁東京都立大学名誉教授)は県教委の諮問は不適当として収集を認めない答申案をまとめたことが十日、分かった。十七日の審議会を経て同日にも成案化される見通し。

 昨年十月に県個人情報保護審査会が「思想信条に該当する」として氏名収集の停止を求めた答申に続き、同審議会でも同様の結論が出る見込み。

 同審議会の答申案では、憲法一九条の思想良心の自由の保障と深く関係する問題と位置付けた上で、審査会答申などから「(氏名収集の)正当性、必要性を積極的に認める答申を出すのは難しい」と結論付けている。

 一方、今後の県教委の対応については「最終的にいかなる職権行使をするかは、県教委に委ねられていると条例上解される」と明記。県個人情報保護条例上、同審議会の意見を聞いた上でも、行政が正当な事務事業の実施に必要があると認めた場合には収集は妨げられないと解釈した。しかし、諮問を不適当と判断した審議会の答申に反して事業が継続された前例はない。

 氏名収集問題をめぐっては、審査会答申後も県教委は収集継続の方針を変えず、昨年十月、同条例上で認められた例外収集の可否について審議会に諮問していた。