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中教審素案 主要授業1割増 

神奈川新聞2007年08月31日
小学校「総合学習」は削減

 学習指導要領の改定作業を進めている中教審の小学校部会は三十日、小学校三年生以上で週三時間(一単位時間は四十五分)程度実施している「総合的な学習の時間」を週一時間程度減らし、国語、算数など主要な五教科の授業時間数を全体で一割程度増やす素案をまとめた。小学校高学年で週一時間程度「英語活動」の授業実施もほぼ合意した。
 素案通りに改定されれば、低学年では総時間数が週二時間、中・高学年では週一時間程度増加。一九七七年以来続いた授業時間数削減の流れを三十年ぶりに転換し「ゆとり教育」を部分修正することになる。現行の週五日制は維持する方針。
 素案によると、小学校では国語、算数、理科、社会の各教科を学年に応じて増加。子どもの体力低下に対応するため、低・中学年で体育の授業時間も増やす。高学年ではコミュニケーション能力育成などを重視した体験型の英語活動を週一時間程度実施する。
 主要教科の改善については1)漢字や計算など基本的知識・技能を反復訓練で強化2)言葉や数式、図、グラフを活用したリポート、発表などで表現力を育成3)観察・実験など体験を充実−などを例示した。
 伝統文化や「公共の精神」を重視した教育基本法と学校教育法改正を受け、道徳教育を充実させる一方で、総合学習で地域文化・伝統を教える必要性を強調している。
 現在の小学校学習指導要領では五教科の授業(六年間)は三千四百八十一時間が標準で、素案通りに改定されれば約三百五十時間増える。
 一方、この日は中教審の教育課程部会も開催。基礎的な知識・技能の定着と思考・判断・表現力の強化を目指し、その基盤となる「言語力」を育成するため論述、発表などの指導を各教科で充実させるとの基本理念について合意した。
 中教審は今後、中学、高校についても見直しを進め、十月中にも中間報告をまとめる方針。具体的にどの教科をどの程度増やすかについては、今後の審議でさらに詰めることにしている。